大阪府は3日、緊急の新型コロナウイルス対策本部会議を開き、独自基準「大阪モデル」の警戒度を、非常事態を示す「赤信号」に引き上げることを決めた。4日から15日まで府民に、できるかぎり不要不急の外出を自粛するよう求める。 5月のモデル策定以来、赤信号が点灯するのは初めて。大阪府の吉村洋文知事(45)は「医療における非常事態宣言と言える状況。いまが赤信号のボタンを押すタイミングだ」と医療崩壊への危機感を示し、「医療非常事態宣言として発令したい」とした。

経済へのダメージを懸念し、行動を制限することに慎重だった吉村知事が大きくかじを切ったのは、感染者の急拡大に伴う重症者向け病床の逼迫(ひっぱく)がある。大阪モデルの赤信号の基準は重症者向けの病床使用率が70%を超えた際に点灯するが、2日時点で63・6%。吉村知事は「70%に達するのはほぼ間違いない。重症者は後から増えてくる」と、現状の危うさを指摘した。

府は大阪市北区と中央区全域の一部飲食店に12月11日まで出している時短営業要請を、15日まで延長することも決めた。府の要請を受け、大阪のシンボル・通天閣(大阪市浪速区)は3日午後8時、赤色にライトアップされた。【松浦隆司】