10番人気ゼルトザームの勝因は、道悪だけではない。浜中騎手の巧みな導きがあってこその重賞初制覇だ。大外15番枠から好スタートを決めるも、内の各馬が好位を主張すると、いったん9番手まで下げた。

ダートで新馬を勝ち上がり芝は初めて。鞍上は「返し馬の感じは良かった」と話したが、実戦経験のない芝で無理に急がせれば走りがバラバラになる恐れがある。だから前半はポジションよりリズムを重視した。

3コーナー手前ではまりが良くなり少し掛かり気味になると、4番手クールベイビーの後ろでひと息入れた。一気にスイッチを全開にするのではなく、ためを作りながら徐々に加速。勝負どころでのコントロールがうまくいった。

4コーナーは馬場のいい外めに振って、スピードに乗る。残り150メートルまで2、3着ナナオ、スカイキャンバスの抵抗にあったが、ラスト50メートルで突き放せたのは序盤、中盤の走りに無駄がなかったからだ。

ゼルトザームで函館2歳Sを制しファンの声援に応える浜中騎手(撮影・村野早祐)
ゼルトザームで函館2歳Sを制しファンの声援に応える浜中騎手(撮影・村野早祐)