13年6月26日の帝王賞当日に誘導を始めて丸9年、今日29日を最後にボンネビルレコードが誘導馬を引退する。的場文男騎手を背に帝王賞を快勝したのが5歳の07年6月27日。10歳まで現役で走り、思い出の舞台で11歳からスタートしたセカンドキャリアにも20歳を迎えた今年で幕を下ろす。

「やっぱり帝王賞が一番だね。俺がけがして休んでる間に中央に行って、大井に来るから乗ってくれって。中央に行ってからは帝王賞が初コンビ。感動した」と的場騎手。大井での主戦は中央移籍したパートナーに約半年ぶりの騎乗で勝利に導いた。「武豊騎手(シーキングザダイヤ)の後ろの一番いいところにつけられた。ゲートを出て1コーナーに入るまで完璧。落ち着いてたんで、4コーナーを回るまでじっとして、どこが開くか待って」。中団の内々を追走。直線では内から2頭目を突き抜けた。

重賞7勝を含む74戦9勝のボンネビルレコードは大井所属で49戦、中央所属で25戦。そのうち59戦の手綱を取った的場騎手は「9月で66歳。この年で乗ってるのが不思議。一緒に引退したかったけど、しょうがないよね(笑い)」。今後は北海道の牧場で余生を過ごすという名パートナーに目を細めていた。【牛山基康】