12年前の3冠馬オルフェーヴル(牡15)は、まだまだ想像を超えていく? 21年BCディスタフのマルシュロレーヌ、今年3月のドバイワールドCのウシュバテソーロと、その産駒は芝ではなくダートで世界を制した。今回の「ケイバラプソディー ~楽しい競馬~」では、現役時代に“オルフェ番”だった太田尚樹記者が、北海道安平町の社台スタリオンステーション(SS)を訪問。さらなるサプライズの可能性を探った。

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15歳になったオルフェーヴルは、さすがに(?)狂気よりも貫禄を漂わせていた。今も黄金色に輝く体を揺らして、堂々とのし歩く。社台SS事務局の三輪圭祐氏は「今は5年目ぐらいのスタッフでも扱えるほどの優等生です。顔にも少し重厚感が出てきました。もともと暴れてもけがをしたことがないし、おっちょこちょいというより、ずる賢い感じですが…」と笑う。

彼には何度も驚かされてきた。阪神大賞典の逸走、凱旋門賞の失速、ラストラン有馬記念の8馬身差V-。種牡馬になっても変わらない。なんとダートで相次いで世界の頂点を極めた。

「こちらにある砂の運動場が深さ30センチぐらいなんですが、そこでの動きが異常に良かったんです。もともとノーザンテーストの血が(4×3と)強く、ダートも走れるイメージはありました。でも、BCディスタフやドバイワールドCを勝つなんてありえないこと。そのクラスまでいくとは」

今年は最近5年で最多となる約170頭に種付けした。ダート指向の交配相手が増え、産駒の活躍も砂上が中心になりそうだが…。

「ただ、そこから意外に芝のチャンピオンが出そうな気がします。エポカドーロやラッキーライラックも(母が)フォーティナイナー系でしたし、米国のスピードのある血で芝の大物が出ていますから。いい意味で裏切られるのでは」

そう、予断は許さない。まだまだサプライズの可能性を秘めている。

「ステイゴールドの父系は意外性が魅力。あっと言わせるのがいいところです。種牡馬のキャリアもそろそろ晩年ですが、最後で想像をさらに超えることが起きるといいですね」

個人的には、その血をつなぐ後継種牡馬になれる存在ももっと出てきてほしい。産駒による凱旋門賞の雪辱もまだあきらめてはいない。もう1度、いや何度でも、驚かせてもらいたい。

(ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「ケイバ・ラプソディー ~楽しい競馬~」)

オルフェーヴル産駒のG1勝ち馬
オルフェーヴル産駒のG1勝ち馬