ルーキー今村聖奈騎手(18=寺島)が3番人気のタマモエイトビート(牡、武英)で勝利し、JRA新人女性騎手の年間最多勝記録を更新する10勝目を挙げた。

最内枠から発馬で後手に回ったが、落ち着いて中団外めを追走。直線は内に進路を選択し、馬群の中を突き抜けて1馬身半差の快勝だった。

レースを終えて、ホッとひと安心の表情を見せた。「デビュー週に乗せていただいた馬で、チャンスがあったにもかかわらず、(当時は)人間が競馬の中についていくこともできなかったし、反省点が残る内容でした。せっかくいただいたチャンスをものにしようという気持ちはありました。この馬の力を信じて乗ることができました」と振り返った。

JRAでデビューした女性騎手の1年目のJRA勝利数は、これまで増沢(旧姓牧原)由貴子(96年)、西原玲奈元騎手(2000年)の9勝が最多だった。今村騎手は22年ぶりに記録を塗り替えた。「自分の中では変に意識しないでおこうとは思っていましたが、すごく頭の中によぎっていましたし、自分にプレッシャーをかけているところも正直ありました」とも明かした。

先輩女性騎手への尊敬も忘れず、「先輩たちの築き上げた道があるからこそ、今の自分はすごく整った環境でジョッキーをさせてもらっています。今ある立場をたくさんの人に感謝して、謙虚な姿勢とジョッキーたちへのリスペクトを忘れずに、競馬に取り組んでいきたいと思います」と、気を引き締めた。