<新潟2R>◇23日◇2歳未勝利牝◇芝1600メートル◇出走15頭

ルーキー今村聖奈騎手(18=寺島)がフェステスバント(藤岡)を1着に導き、JRA通算44勝目を挙げた。19年に当時デビュー4年目の藤田菜七子騎手がマークした、43勝のJRA女性騎手年間最多勝記録を更新した。

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どんな時も、トレードマークの笑顔だけは絶やさなかった。順調に勝ち星を積み重ね、JRA通算は39勝を数えた9月上旬。白星がパタッと途絶えた。次の40勝目までに、自身最長となる80戦を要した。

なかなか勝てない日々が続く中、栗東トレセンである厩舎関係者が「プレッシャーか?」と心配そうに声をかけた。すると、今村騎手はいたずらに苦笑いしながら「大丈夫ですよ」と、笑顔で返した。記者が記録について質問を向けても「頑張ります!」と、言葉少なながらに笑顔だけは忘れなかった。

まだデビューから間もない若干18歳。これだけの注目を浴び、その分だけプレッシャーも大きかったに違いない。それでも、人前では暗い顔ひとつ見せずに明るく振る舞ってきた。その精神力の強さも、彼女の快進撃を支えている1つの要因だろう。ヤマ場の記録を塗り替え、少しは肩の荷が下りるかもしれない。これからはもっとノビノビと、かつ大胆に勝ち星を量産してほしい。【中央競馬担当=奥田隼人】