フリームファクシ(牡3、須貝)が単勝1・3倍の断然1番人気に応え、重賞初制覇を飾った。勝ち時計は1分59秒7。オープンファイアの猛追を頭差で振り切り3連勝。出世レースを制し、今後はクラシック路線へ向かう見込みだ。NHKマイルC(G1、芝1600メートル、5月7日=東京)へ直行予定の僚馬ドルチェモアとともに、春の3歳G1戦線を沸かせる存在になりそうだ。

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またも能力をみせつけた。最後の直線、早め先頭に立ったフリームファクシが追われて伸びる。2着馬が猛然と外から迫るが、最後まで抜かせなかった。川田騎手は「この2頭がこのメンバーの中では抜けていたと思います。何とか押し切ることができました。結果に関しては、勝つことができてよかったです」と振り返った。

前走も、2走前も折り合い面に課題をみせながらも連勝。いかにリラックスして走るか-それがテーマだったが、また力んだ。好スタートから楽に2番手にみえたが、1コーナーで外から他馬に出られ、前をカットされるような形になった。道中は鞍上が懸命に手綱を抑え、我慢させた。川田騎手は「今日もご覧の通りずっと力んでいましたし、これからの課題であるのは間違いない」と語った。

須貝師は「1角で不利があったけど、ジョッキーがうまく我慢させてくれた。その分、しまいもかわされなかった」とほっとした表情。前走と同舞台の重賞で、スタミナをロスしながらでも勝ち切ったのは、ポテンシャルの証しだ。

今後のレースは現段階では未定としながらも、師は「馬のケアをして今後のことを考える。これでクラシック路線に乗っていける」と見通しを語った。スムーズな競馬ならどれだけ強いのか、伸びしろは大きい。川田騎手は「ポテンシャル的にはG1に手が届きそうな馬だと思っています。そういう思いで競馬を重ねてきた。重賞のタイトルを取ることができて、クラシックに向かっていけると思う。ほっとしたというところです」と締めくくった。春のクラシックの主役を張る、フリームファクシにはそれだけの能力がある。【網孝広】

◆フリームファクシ▽父 ルーラーシップ▽母 ライツェント(スペシャルウィーク)▽牡3▽馬主 金子真人ホールディングス(株)▽調教師 須貝尚介(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 4戦3勝▽総収得賞金 5609万4000円▽馬名の由来 北欧神話の夜の女神の愛馬