渡仏前に師匠へ置き土産を-。2年目の田口貫太騎手(20=大橋)がJRA重賞初制覇を狙う。自厩舎の小倉巧者ニホンピロキーフ(牡4)とともに、サマーマイルシリーズ第2戦・中京記念(G3、芝1800メートル、21日=小倉)へ挑む。自身は今週末の騎乗を最後に、フランスでの2カ月間の武者修行へ旅立つ。今年JRA30勝と躍進中のホープが、所属厩舎へ3年ぶりの重賞タイトルを届けるか。
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その丸刈り頭の中には大志が詰まっている。2年目の田口騎手は今週の騎乗を終えた後に武者修行のため渡仏する。競馬界屈指の愛されキャラ。ある調教師からすれ違いざまに「フランスで髪伸ばしてくるんか」とイジられると「2カ月では伸びないと思いますけど…」と笑って頭をかいた。
出国を前に、置き土産を残したい。JRA重賞初制覇だ。「最近は重賞にもたくさん乗せていただいているんですが、なかなか結果を出せていないので…」。過去16度の挑戦では、自厩舎のニホンピロキーフに騎乗した今年のマイラーズC3着が最高。その相棒と日曜の中京記念に挑む。何よりも小倉で3戦3勝のコース実績が頼もしい。
「相変わらず(調教で)いい動き。小倉も相性がいいですし、力はあるので、あとは僕がどう乗るか」
自分自身を追い込むかのような言葉を口にしたのは、前走の鳴尾記念(12着)での悔しさがあるからか。
「前回は1コーナーで接触もあってエキサイトしてしまい、速い流れでためが利かず、申し訳ない競馬になりました。しっかり巻き返したいです」
来週からはフランスへと旅立つ。シャンティイにある競馬学校AFASECの寮に泊まり込み、小林智厩舎で調教に乗る。すでに騎乗オファーも届いている。海外さえ未経験で「フランス語は全然…」と不安もなくはないが、もちろん意欲の方が大きい。
「慣れない環境でメンタルも鍛えられると思いますし、重い馬場で馬をしっかり御して動かせる技術を身につけたいです」
その背中を押してくれた師匠の大橋師へ、厩舎3年ぶりの重賞タイトルを。瞳を輝かせた20歳が、夏コクを締めて世界へ羽ばたく。【太田尚樹】
◆田口貫太(たぐち・かんた)2003年(平15)12月10日、岐阜県生まれ。幼少期はプロ野球選手を目指していたが、17年ダービー2着のスワーヴリチャードを見て騎手を志した。23年3月に栗東・大橋厩舎からデビュー。1年目の昨年はJRA35勝でJRA賞最多勝利新人騎手を受賞。今年は6月の関東オークスをアンデスビエントで制してDG競走初制覇。14日終了現在でJRA30勝、全国リーディング17位。JRA通算は1110戦65勝。156・4センチ、44・6キロ。

