春の古馬女王決定戦ヴィクトリアマイル(G1、芝1600メートル、17日=東京)の最終追い切りが13日、東西トレセンで行われた。調教を深掘りする「追い切りの番人」では、下村琴葉(ことは)記者が昨年の秋華賞2着馬エリカエクスプレス(牝4、杉山晴)に注目。昨春から大きく進化した折り合い面に4歳の余裕を感じ、マイルへの距離短縮によりスピードがさらに生きるとみた。

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エリカエクスプレスの追い切りで印象的なのは、昨年の桜花賞の1週前追い切りだ。Cウッド6ハロン78秒3-11秒2という破格の時計が出たが、折り合いにかなり苦労していた。レースを見ても、エピファネイア産駒の牝馬らしく気が勝っていて、前進気勢があり余っている女の子というイメージが強かった。

レースを重ねるごとに追い切りでの折り合いは改善し、中でもオッと思ったのが今回の1週前追い(7日)。Cウッドで終始、騎乗した泉谷騎手(レースは武豊騎手)とコンタクトが取れており、道中でためが利いた分、6ハロン80秒9-11秒1とラストは楽に伸びた。

昨春と比べて、肩回りにしっかりと筋肉がつき、重心も低く安定感のある走りになっている。担当の植山助手も「すごく折り合いが良くて、しまいの沈む込むようなフォームも良かった。大人になってきたのかな」と感心していた。

この日の最終追い切りも申し分ない内容だった。当週は武豊騎手がまたがるのが最近のルーティン。持ったままの手応えで坂路4ハロン53秒7-38秒4-24秒7-12秒1の加速ラップを刻んだ。鞍上が「思ったより馬が落ち着いているのが何より。折り合いは前走より良くなっている」とうなずく好追い切り。気持ちに余裕がある状態で挑めそうだ。

ここまで精神面に進境が見られたのは馬自身が成長したからこそ。「厩舎での工夫は特にしていない。馬が4歳になって精神的に大人になったというところだと思う」と杉山晴師は説明する。気持ちと走りがかみ合ってきた今なら、東京マイルでも快速が通用しそうだ。