新外国人ヤンハービス・ソラーテ内野手が「2番遊撃」でデビューし、左打席では無安打だったが、右で特大本塁打の結果を残した。

梨田 ソラーテが本塁打を放ったのは、巨人田口が3球目に投じたスライダーだ。わたしがクレバーなタイプとみたのは、ファウルになった1球目が同じ球種で、この軌道をちゃんと頭にインプットしていたようだった。初球より甘いコースに来たが、その残像があったからこそフルスイングすることができたとみていいだろう。

一方で“左の助っ人”としては、四球、空振り三振、左飛、投ゴロと、内容も結果も伴わなかった。

梨田 試合前練習では左のほうがパンチ力があると思った。でも、どちらの打席もクセがなく、素直にスイングしていた。ここはフォームを崩しながら打つマルテとは異なる点。矢野監督の考えでは、近本、糸原、糸井で左が3人続くより、両打ちの外国人を挟むことによって、左投手がでてきたときに対応できると踏んだようだ。それが左の田口に代わって、初の右打席で本塁打だから、監督の読みが当たったともいえる。

阪神がシーズン途中で獲得した外国人には“当たり”が少ない。341得点はリーグワースト、61本塁打は同5位。チームの行方はソラーテがカギになる。

梨田 長距離タイプではないし、そう簡単にヒットを量産するとは思えない。しかし、ソラーテが機能すれば、今まで固定に近かったオーダーを組み替えながら戦うことができる。今後は大山の「4番」を変える可能性もないとは言えないだろう。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】

巨人対阪神 巨人に勝利し、握手を交わす阪神矢野監督(左)とソラーテ(撮影・横山健太)
巨人対阪神 巨人に勝利し、握手を交わす阪神矢野監督(左)とソラーテ(撮影・横山健太)
巨人対阪神 来日初本塁打が決勝打となりファンの歓声にこたえるヤンハービス・ソラーテ(撮影・清水貴仁)
巨人対阪神 来日初本塁打が決勝打となりファンの歓声にこたえるヤンハービス・ソラーテ(撮影・清水貴仁)