阪神が土俵際に追い詰められた。日本シリーズ進出を果たすには4連勝が絶対条件になった。

吉田 我々の時代には考えられないことだが、両軍とも激しい雨降りで気の毒でした。阪神はよく粘ったが、2点差とはいえ、そこにヤクルトとの大きな壁を感じました。ヤクルト先発サイスニードは決して調子が良くなかったから、1、2回が打ち崩すチャンスだったのに1点止まりでは寂しかった。

前日12日のヤクルト戦で4打数無安打、3三振に終わった佐藤輝をスタメンから外した。4点を追う6回2死二塁で代打で登場したが四球。8回はセットアッパー清水に見逃し三振だった。

吉田 チームが切羽詰まって、剣が峰の状況はわかるが、佐藤輝は絶対にスタメンから外すべきではなかったと思います。レギュラーシーズンで4番から6番に下がったが、全試合に出場してきたし、少なからずプライドもある。結局は6回に代打で起用された。私に言わせれば、ロハスを打席に送った4回1死二塁の場面ではなかったのか。そこで代打に出れば3打席は立つことができた。

近本の先制打でリードしたが、藤浪が3回2死一塁から4番村上の左越え2ランでひっくり返される。西純も長岡、オスナの本塁打攻勢の“餌食”にあった。

吉田 藤浪はよく投げたということでいいでしょう。ヤクルトには絶対日本シリーズに出るんだという勢いを感じた。村上には3冠王の値打ちを見せつけられた。長岡のショートにも伸びしろがある。それでも阪神は青柳に賭けたい。奇跡が起きることを信じています。【取材・構成=寺尾博和編集委員】