日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(42)が27日、阪神貧打解消のキーポイントを考察した。チームは28日の日本ハム戦(甲子園)から交流戦をスタートさせ、31日ロッテ戦(ZOZOマリン)からはDH制も活用する。誰をどの打順でDH起用するのか。レジェンドは1番近本光司外野手(29)の役割にも注目している。【聞き手=佐井陽介】
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阪神打線の状態が一向に上がりません。交流戦開幕直前の1週間は6試合で計10得点。単純計算で1試合平均1・67得点しか奪えていません。24日の甲子園巨人戦では戸郷投手にノーヒットノーランを献上。26日の同戦でも菅野投手に7回1死まで無安打に抑え込まれました。一方でチーム奪四球数はリーグ最多の160個。リーグワーストのチーム打率2割2分3厘で同2位の149得点をたたき出しているのは立派ですが、もうそろそろ打ち勝つ試合も増やして投手陣の疲労を減らしたいところです。
とはいえ、交流戦突入と同時にレギュラー陣の状態が一気に良化するかと問われれば、簡単に首を縦には振れません。そこで注目したいポイントがDH制の使い方です。ローテ通りであれば佐々木朗希投手との対決も予想される31日ロッテ戦(ZOZOマリン)から、阪神はDH制の試合を戦います。どの選手をDH起用するのか。どの打順に入れるのか。スタメン野手を1人増やせるゲームで打線にどうやって刺激を与えるのか、岡田監督の腕の見せどころです。
現状、DHスタメン候補は主に以下のメンバーになります。原口選手に糸原選手、ミエセス選手に前川選手、1軍昇格が報道されている小野寺選手…。好調の渡辺選手も三塁起用とのてんびんでDH起用の可能性もあるでしょう。これらの選手を1番近本選手、2番中野選手の前に置くのか、それとも後ろに置くのか。個人的にはこのポイントに注目しています。2人に走者をかえしてもらいたいのか、走者の2人をかえしてもらいたいのか、岡田監督の意図がDH起用と打順から読み取れるからです。
今の阪神打線でもっとも計算が立つ打者は近本選手といえるでしょう。近本選手も決して絶好調というわけではありませんが、それでも相手バッテリーからすれば、走者を置いた場面で近本選手を打席に迎えるのは嫌なはずです。岡田監督も本音をいえば、一時期試した3番で起用したい気持ちもあったのではないでしょうか。ただ、監督は近本選手と話し合った結果、彼が現時点でもっとも打ちやすいという1番での起用を決めました。そうなると、近本選手にポイントゲッターとしての役割を期待する場合、下位打線の層を厚くする必要が出てきます。
たとえば9番DHで糸原選手を使えば、下位打線でチャンスメークして1、2番でかえす、というイメージが湧きます。クリーンアップで原口選手をDH起用すれば、出塁した1、2番をホームにかえしてほしい、というメッセージにもなります。もちろん、相手の先発投手のタイプや相性によってDHの使い方は日々変わるでしょうが、これだけ打てない中でDH制を有効活用しない手はありません。DH選手につながせるのか、かえさせるのか。貧打解消へ、岡田監督の選択が興味深いところです。(日刊スポーツ評論家)




