首位阪神が引き分けを挟んで4連勝を飾った。育成ルーキー早川太貴投手(25)が1軍初先発で5回2安打無失点と快投し、プロ初勝利を手にした。育成入団選手の1軍先発は球団初で、ルーキーイヤーでの白星も初の快挙。くふうハヤテ時代から早川をチェックしてきた日刊スポーツ評論家の岩田稔氏(41)はこの日の右腕を「好調ではなかった」とした上で、独特のフォームに注目した。【聞き手=佐井陽介】
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実は早川投手は以前から個人的に注目している右腕でした。私と同じ1型糖尿病患者のご家族が北海道の北広島市役所に勤めている縁もあり、同市役所からくふうハヤテに入団する前後の時期にはもう「こんな投手がいるんです」と紹介してもらっていたのです。くふうハヤテに所属していた昨季は甲子園のウエスタン・リーグ阪神戦で快投する姿をテレビ解説する機会にも恵まれ、投球スタイルは阪神の育成選手時代も含めてよく知っているつもりです。
そんな私からすれば、この日の早川投手は決して好調とは言えない状態でした。本来はコントロールが生命線できっちり試合を作れるタイプ。それがプロ初先発ゲームでは繊細な制球を少し欠いているように映りました。おそらく相当に緊張していたでしょうし、本人は納得していないかもしれません。それでも要所を締めて5回2安打無失点の結果を出したのだから立派です。好調時の早川投手は右打者の外角低めにピタピタに直球を決め続けられます。またチャンスをもらえたマウンドでは、100%の早川投手を披露してくれるのではないでしょうか。
対戦した打者はしばらくの間、独特なフォームに苦しむかもしれません。左足を上げてからボールをリリースするまでのリズムが一定ではなく“間”があるフォーム。DeNA打線の中にはタイミングにズレが出ている選手も少なからずいました。もちろん2度目、3度目の対戦を迎えれば打者も慣れてくるでしょうし、また課題が出てくるかもしれません。とはいえ、今はまず自分の実力を出し切ることに専念すればいいと思います。大崩れすることなく、のらりくらりと試合を作れるタイプ。先発でこそ生きる投手だと感じます。(日刊スポーツ評論家)




