昨年春夏と甲子園に出場したおかやま山陽の堤尚彦監督(47)が12月5日から約2週間、ジンバブエに渡り野球指導を行う。堤監督は青年海外協力隊としてジンバブエで野球指導、普及を行っていた経験があり、今回はジンバブエ代表の監督として約20年ぶりに訪れる。堤監督は、おかやま山陽とジンバブエ代表監督の“二足のわらじ”となる。

今回はドリームカップと呼ばれる国内クラブチームによるトーナメント戦を視察。ジンバブエ代表選手を選び、その後9日間代表合宿を行う。20年に東京で行われるオリンピック。出場へ3度目の挑戦となるジンバブエ代表の強化はもちろん、堤監督にはもう1つの思いがある。

「国内での底辺を拡大する必要性以上に、サッカーのように世界に広げていく必要があると思う。目指す天井を高くすることで、子どもたちが目指す夢が、より大きな世界一というものになる」

東京五輪では男子サッカーに16チームが参加する一方で、野球は6チーム。クラブW杯が開催されるなど世界に普及しているサッカーに比べると、野球は世界的には広まっていない。時間はかかるが、ジンバブエなど野球発展途上国で野球を教えることで、野球を楽しむ国が増え、それが日本の野球普及にもつながると堤監督は考える。

今年の8月にはジンバブエ代表の3選手が来日し、約1カ月おかやま山陽ナインとともに練習を行った。技術はないながらも必死に練習する3選手の姿に、おかやま山陽ナインも大きな刺激を受けていたという。堤監督は帰国後、授業などで今回の経験を伝えていく予定。野球普及という大きな夢に向かう、2週間となる。【磯綾乃】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)