都立高校の昭和(西東京)が、2本塁打で早実に逆転勝ちした。

 1-2の6回、2死から9番富樫侑己捕手(3年)が左越えに高校1号のソロ本塁打を放ち同点。8回には1死満塁で小谷英志内野手(2年)が右翼席に満塁本塁打をたたきこんだ。初球のストレートを振り抜いた4番は「練習試合でも中学でも柵越えを打ったことがなかったので、感触はわからなかった。鳥肌が立った」。試合終了の瞬間、ナインはガッツポーズで喜びを爆発させた。

 選手を盛り上げるユニークな作戦も的中した。就任9年目の森勇二監督(50)は「天才バカボンパパ作戦」と名付け、『「~のに」を「~のだ」に変える』と書いたホワイトボードをベンチに掲げた。序盤から残塁が重なっても「出塁できているのだ」と発想を変え、終盤の逆転につなげた。監督は「2本塁打はミラクル。会心のゲーム」と目を真っ赤にして喜んだ。