高校野球秋季近畿地区大会決勝が5日、大阪シティ信用金庫スタジアムで行われ、大阪桐蔭(大阪1位)が智弁和歌山(和歌山1位)を1-0で下し、2年ぶり3度目の優勝を果たした。主役は今春のセンバツVに貢献し、来秋ドラフト候補の4番・根尾昂(ねお・あきら)内野手(2年)。1-0勝利を決める特大ソロを放ち、視察した阪神、オリックス、DeNAのスカウトを興奮させた。

 0-0で迎えた6回2死。根尾が真ん中に入ったスライダーをとらえると、打球はバックスクリーン右横へ。球場の最も深い所、推定130メートル弾を放った。前日4日の準決勝・近江戦では「4番投手」で先発し、7安打完封。16三振を奪う快投を見せた次の日、今度は打者として会心の一撃を放った。阪神畑山チーフスカウトは「投げれば速いボール、打てば飛ばすし、走れば速い。まだ1つに決める時期じゃない。いろんな可能性を見ていきたい」と絶賛。4番の最速148キロ右腕を、“二刀流”でマークする方針を明かした。

 大阪予選からこの秋5本塁打目。通算本塁打も20本に伸ばしたが「ホームランを打っている打席より、打ち取られたりする打席のほうが多い」と表情を緩めない。次は明治神宮大会。全国でもポテンシャルの高さを見せる。【磯綾乃】