第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の出場32校を決定する選考会が24日、大阪市内で開かれる。昨夏初優勝した履正社(大阪)は、秋季近畿大会4強で出場は確実。主将で4番の関本勇輔捕手(2年)は元阪神関本賢太郎氏(41)の長男で、父譲りの勝負強い打撃が売り。夏春連覇はこれまで4校しかなく、82年夏-83年春の池田(徳島)が最後。関西では史上初となる夏春連覇へチャレンジする。

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関本は主将らしく、先頭で坂道ダッシュを駆け上がり、背中でチームを鼓舞した。「ノックとかみんな熱く練習している。気持ちが高まってきている」と、ナインはすでにセンバツモードに入っている。

これまでに4校しかない夏春連覇。平成の時代には1度もなかった。岡田龍生監督(58)が「夏春連覇は、チームが全然違うので難しい。半分以上が入れ替わっている」と話すように、昨夏を経験したのは7人。背番号12だった関本は出番がなかった。甲子園は昨春の1回戦、星稜(石川)戦で代打での1打席(三失)だけ。「立ったことは大きい。あの雰囲気は忘れていない。(現ヤクルト)奥川さんと対戦できていい経験になった」と大舞台のイメージはできている。

「顔とか父とあまり似ていないって言われるんですが、勝負強さだけは似ているというか引き継いでいないとダメですよね」とニヤリ。新チームの公式戦11試合でチーム最多の28打点。チーム114打点のうち約4分の1をたたき出している。秋季近畿大会でも4番として準々決勝京都翔英戦では決勝打となる先制適時打を放つなど3試合で3打点を挙げ4強入りに貢献した。

履正社ではマシンで速い球を打つ時以外は木製バットで練習する。関本は父が現役時代に使っていた名前入りの白木のバットで、この日も黙々とティー打撃などに励んだ。父がタテジマで活躍した甲子園。そっくりな勝負強さを発揮する舞台はもうすぐだ。【石橋隆雄】

◆甲子園での夏春連覇 甲子園での夏春連覇は過去4校しかない。広島商(広島)の30年夏-31年春、中京商(愛知)の37年夏-38年春、法政二(神奈川)の60年夏-61年春、池田(徳島)の82年夏-83年春。