物事には表と裏がある。センバツ選考委員会の東海地区選考が1週間たった、いまも物議を醸している。「大垣日大を取り上げるタイミングではない」という意見もある。だが、落選した聖隷クリストファーだけでなく想定外の選出となった同校の「いま」を素通りせず、記録することも長い高校野球史で大切だろう。

大垣日大ナインもニュースなどで論議を知り、肩身の狭い思いをしている。選考委は大会要項で明文化された出場校選考基準のなかで選出している以上、私も選考結果に異存はない。それでは、なぜモメるのか。どうにも解釈できる、選考理由の説明が一因だろう。

東海地区の鬼嶋一司選考委員長は総会で「個人個人の力量に勝る大垣日大か、粘り強さの聖隷クリストファーかで選考委員の賛否が分かれたが投打に勝る大垣日大を推薦校とします」と言い、会見で「特に投手力は大垣日大の方が上だろうと。甲子園で勝つ可能性が高いかを基準に判断」と続けた。個人の力量、甲子園で勝つ可能性…。説明からはあいまいな主観が大きく影響するように聞こえた。

透明性を欠いた選考経緯も、混乱に拍車をかける。私はあの日、会見で選考委に決選投票の有無など経過を質問した。「内々の話です。賛否、両チームで拮抗していた」との回答だった。どういう形で合意されていったのか、明らかにならなかった。誤解や曲解を招きかねない対応に映った。

すべての高校球児が、前を向いて、春へと歩んでいけるだろうか。いま1度、日本高野連の丁寧な説明を待ちたい。【酒井俊作】