1球を投じる度に、甲子園の熱気は高まっていった。3-1の9回マウンドに、阪神守護神呉昇桓投手(32)がそびえ立った。150キロ台を連発。1死から上田に四球を与えはしたが、主軸は一切寄せ付けなかった。リーグトップの9セーブで、通算48セーブを数えた。ウィリアムスを抜き阪神助っ人のセーブ数トップに躍り出た。
球団史に名を刻む記録に目も向けなかった。「それよりチームが3連勝したことがうれしい。ずっと登板したいくらい」と誰よりもチームの勝利を喜んでいた。チームに連勝がなかったこともあり、2日連続のセーブは今季初。毎試合、重圧のかかるマウンドに上がることを熱望した。
勝利に導くために日本へとやってきた。韓国球界最多277セーブの大記録を打ち立てた右腕は、これまでも勝負の懸かった場面での登板が多かった。「プレッシャー? それは考え方の違い。プレッシャーをプレッシャーと考えたらプレッシャー。当たり前の仕事だと思っているからね」。例え1回に投げようが9回に投げようが、抑えることには変わりはない。目の前の打者を封じるだけ。むしろピリピリした雰囲気を意気に感じている。
「他の選手も集中力を持っている。これからも勝っていけると思う」
チームの勝利は呉昇桓が締める。そしてまた球団史を塗り替えていく。【宮崎えり子】



