伝統の一戦なのに、甲子園なのに…。阪神が巨人に惨敗。1番マット・マートン外野手(33)の新オーダーも不発に終わり、今季5度目の完封負けを喫した。序盤に大差を許すと席を立つファンも出て、甲子園も寂しさに泣いていた。

 まさに惨敗だった。試合終了の瞬間、スタンドは空席ばかりだった。巨人菅野にプロ初完封を許した。巨人打線にめった打ちにされた。聖地でライバルの引き立て役にまわった猛虎に対して、ファンの失望の度合いを示していた。

 和田監督 0対8になってもスタンドのファンの皆さん、必死になって応援してくれているので、明日から、そういう野球ができるようにやっていきます。

 3連敗で再び広島と同率の最下位に転落した指揮官の口からはすでに今シーズン、何度か聞いたざんげが出た。それもそのはず。これで本拠地では4連敗。4つの負け越しだ。最高の後押しを受けられるはずの甲子園で勝てない。それどころか、惨敗が続いている。敗戦後のしらけたムード、本拠地巨人戦では寂しい観客動員が事態の深刻さを浮き彫りにしていた。

 何とか活路を見いだそうと手は打った。今季初めてマートンを1番に置き、上本を7番に下げた。だが、すぐに効果は出なかった。2回、先発岩田が2点を先制されると、3回には名手鳥谷の失策、押し出し四球などで3点を追加された。序盤で0-5と大量リードを奪われた。こうなると猛虎打線に反発力のなさが際立ってしまう。出塁を期待されたマートンは4打席凡退で、後続も菅野の前に凡打を重ねた。散発4安打ですいすいと最後まで投げ切らせてしまった。試合後、マートンは通訳が報道陣を制し、コメントを残すことはなかった。

 和田監督 今、ビハインドからはね返す力が足りないというか、ないというか…。全員がもがいている。技術的に言うと、かなりポイントが近くなっている。真っすぐも、変化球も、全部打とうとしているような感じになっているよな。

 指揮官はリーグ最低打率に沈む打線の現状をこう表現した。投手を含めた守りにもミスが出て、投打の信頼関係が崩れかねない展開が続く。これで交流戦前に貯金をつくることはできなくなった。明るい材料は見つからず、どこまでも暗くなるような惨敗だった。【鈴木忠平】

 ▼阪神は甲子園で、5月8日広島戦から4連敗。4月7日DeNA戦~同11日広島戦と並び今季最長。これで甲子園では今季7勝11敗で借金4(他球場では11勝12敗)。甲子園でのチーム打率は2割9厘で、他球場での2割4分を下回る。甲子園では西岡が1割9分4厘(他球場3割3分3厘)、鳥谷も1割9分4厘(他球場2割5分8厘)と、主軸が不成績にあえいでいる。