頼れる男が戻ってきた。阪神ランディ・メッセンジャー投手(33)が襟を正した7回無失点の力投で、1カ月ぶりとなる3勝目を挙げた。2軍降格時期に球威を増した速球を軸に、力の11奪三振。開幕投手の鮮やかな復調で、虎は「日本生命 セ・パ交流戦」無傷の4連勝。4月7日以来の勝率5割に復帰した。
高ぶる感情そのままに剛球を投げ込んだ。1回からメッセンジャーは全開だった。「1日も早く(1軍に)戻って投げたかった。0を並べられて良かった。興奮したよ」。走者を背負いながらも、目の前の1人1人を抑えていった。毎回三振で今季最多タイの11奪三振をマークした。7回無失点。今年初めて無失点で試合を終えた。
不調による2軍調整からの復帰登板だった。これまでは一塁側に重心が倒れ、ボールに力が伝わっていなかった。シュート回転する直球は140キロ台止まり。本来の球速ではないからこそ上半身を使ってしまい、さらに投球フォームは崩れていった。「以前は投げ急いでいた感があった。ファームでは基本に戻ろうと思ってやってきた。それができた」。この日の最速は152キロ。本来の直球に戻っていた。
1軍から離れた約3週間、原点回帰を心がけた。ファーム初日はストッキングを下ろしていたが、2日目から上げるオールドスタイルに変えた。それがルールと知ったからだ。「自分だけ下げていても何も言われないだろうけど、そんなことしたくなかったし、こっちのルールだからしっかり守ろうと思ってね」。2軍選手として汗を流した。
ロードワークに出ると約1時間半、戻らないこともあった。時には若手投手陣とともに、50メートルダッシュで競い合った。ノルマ10本のところ、2倍の20本を自らに課した。トレーナー陣からは「2軍の選手の手本になってくれてありがとう」と声が飛んだ。ニコリと笑ったメッセンジャーは、一回り痩せて鳴尾浜を後にした。
4月28日のヤクルト戦以来、今季3勝目。約1カ月ぶりの白星に「久しぶりだからうれしかったね。もっと勝てるように頑張ります」と表情が柔らかくなった。198センチの大男が戻ってきた。【宮崎えり子】



