オリックスは2日、森脇浩司監督(54)が成績不振を理由に休養すると発表した。「日本生命セ・パ交流戦」巨人1回戦(東京ドーム)を前に都内で会見。同監督が休養を申し出て、球団側が承諾したという。福良淳一ヘッドコーチ(54)が監督代行を務めることになり、この日の巨人戦も指揮を執った。開幕から最下位に低迷するオリックスに激震が走った。

 午後1時、都内の宿舎で会見が始まった。森脇監督は席に着くと、ふーっと深く息をついた。この日の朝、休養を申し出た経緯を説明した。淡々と言葉を選びながらも、目は潤み、顔には悔しさがにじんでいるように見えた。

 「大きな期待の中でスタートした今シーズン、ここまでの成績に対して、このタイミングで責任を取らせていただく決意をしたことをお伝え申し上げます。まだまだ(シーズンの)決着がついたわけではないが、チームをいい方向に動かしていくには手遅れになることが一番良くない。私が身を引くことが一番いい方法だと決めた次第です」。54試合を消化し、6月を迎えたばかり。異例の時期の“交代劇”だった。

 12年シーズン終盤に監督代行に就任。正式に監督になった13年の1年目は5位に終わったが、昨年は機動力とバッテリーを含めた守りを看板に掲げてチームをソフトバンクと勝率2厘差の2位に押し上げた。昨オフはフロント主導でブランコ、中島、小谷野、バリントンらを次々と獲得。エース金子のFA残留資金も含めれば総額40億円ともされる大型補強で優勝候補の呼び声が高かった。

 だが、西武に開幕3連敗を喫すると、泥沼にはまりこんだ。金子が右肘手術の影響で開幕戦を回避。大型補強4選手もケガのため相次いで離脱。比嘉、平野佳、岸田、佐藤達ら昨年活躍した救援陣も次々と故障。ケガ人が重なる不運にも見舞われた。打撃部門とバッテリー部門の2度のコーチ配置転換も実らなかった。5月31日に広島に敗れて自力優勝の可能性が消滅し、借金は今季ワーストの15まで膨らんでいた。森脇監督は「十分な戦力を与えていただきながら、私の力不足により十分な成績ではない。ここまでの低迷に関しては深くおわび申し上げたい」と謝罪した。

 今後は福良ヘッドコーチが監督代行に就任し、巻き返しを図る。森脇監督は会見後にコーチ、選手、スタッフ全員の前で言ったという。「俺の責任だから、何も考えずにこれからの試合をやっていけばいい。可能性がある限り、前進していってくれ」。約10分間の“ラストメッセージ”。胸に刻んで、白星を重ねていくしかない。【大池和幸】

 ◆森脇浩司(もりわき・ひろし)1960年(昭35)8月6日、兵庫県生まれ。社(やしろ)から78年ドラフト2位で近鉄入団。広島-南海・ダイエーで内野手。96年に引退するまで1軍通算843試合、打率2割2分3厘、14本塁打、75打点。ダイエー、巨人でコーチを歴任し、ソフトバンク在籍の06年には手術で休養した王監督の監督代行を務めた。11年秋にチーフ野手兼内野守備走塁コーチとしてオリックスに入団。12年9月に監督代行を務め、同10月に監督に就任した。178センチ、78キロ。右投げ右打ち。

 ◆最近の監督交代 病気のため療養した06年王監督(ソフトバンク)14年星野監督(楽天)を除くと、00年以降では過去8人がシーズン途中で交代している。このうちオリックスは03年石毛監督、08年コリンズ監督、12年岡田監督と3度あり、球団別では今回を含めて最も監督交代劇が多い。