苦しむ広島に、頼れる右腕が帰ってきた。中田廉投手(24)が「日本生命 セ・パ交流戦」日本ハム2回戦で今季初登板を果たした。打者3人を13球で無安打1三振に抑えた。春季キャンプ中に右肩の違和感で出遅れ、ようやく1軍マウンドに復帰。昨季66試合登板右腕の好投は、敗戦の中で数少ない明るい材料だ。
4点ビハインドで重苦しい空気の終盤、マツダスタジアムが沸いた。8回表に「投手・中田」のコール。スタンドからの拍手を受け、開幕53戦目に背番号34が、1軍のマウンドに帰ってきた。
「緊張する立場ではない。もう7年目ですから。今日みたいな場面で結果を残していかないといけない。ファームでやってきたことを出そうと思った」
最速は140キロ。それでもスライダー、フォークでカウントを整えた。そして勝負球はいずれも真っすぐだ。近藤を二ゴロ、岡は追い込んでから外角低めいっぱいに決めて見逃し三振。最後は杉谷を遊直に打ち取った。「まだ状態は100%というわけではないけど、悪いながらに投げることをファームでやってきた。そういった意味ではゼロに抑えられて良かった」。昨季までのセットポジションから、この日は今季2軍で取り組んできたノーワインドアップから投じた。
昨季は連投やロングリリーフ、ワンポイントなどポジションをいとわなかった。登板数はチーム最多の66試合。オフには、若手中継ぎ陣のリーダーを宣言した。右肩の違和感により出遅れたものの、広島中継ぎ陣の緊急事態に舞い戻った。「僕は勝ち試合で投げたい。チーム状態もあると思うけど、(勝ち試合に)1人でも投げられるようだったらチームも上がって行くと思う。そういった意味ではいいスタートが切れたと思う」。敗戦にも、表情は明るい。中田の15年シーズンが開幕した。【前原淳】



