ワセダは上下関係が厳しい。阪神鳥谷敬内野手(33)が母校早大の後輩に容赦なき一撃を浴びせた。2点先制直後の2回2死二塁。苦戦するルーキー有原を見下ろしていた。配球は外角一辺倒。しかもカウントは3-1だ。これで抑えられるほどヤワじゃない。不用意な外角直球をとらえ、左翼線に加点タイムリー二塁打を放った。

 「変化球も多く来ていましたからね。チャンスだったので、走者をかえす打撃をすることだけを心掛けていました。しっかりと、とらえられました」

 実に5月21日巨人戦以来となる適時打。通算1675安打目を刻み真弓明信を抜いて球団単独5位に躍り出た。状況に応じた打席内容が頼もしい。4回は左腕ガラテから冷静に四球を選んで、ビッグイニングに絡んだ。5回には先頭で中前へ。安打数で阪神4位ミスタータイガース藤村富美男に18本差にじわりと迫り、追い抜くのは確実だ。14日オリックス戦は3三振する屈辱を味わったが、次戦でキッチリ結果を出すあたり、実力者らしい。

 かつて早大のスターだった鉄人は「早大勢」が大好物だ。かつてヤクルトなどで活躍した藤井から通算3割3分3厘。ソフトバンク和田(現カブス)に3割7分5厘、江尻から4割。広島福井も3割3分3厘と打ち込んでいる。この日も因果関係を問われ「どうということはない」とクールに振り返っただけ。7回は斎藤に投ゴロに抑えられたが、ご愛嬌(あいきょう)だ。先輩の貫禄を示した交流戦最終戦。ワセダの勝利ソング「紺碧(こんぺき)の空」を独唱できる打ちっぷりだ。♪覇者~、覇者~、トリタニ♪【酒井俊作】