節目にたどり着いた。日本ハムの守護神・増井浩俊投手(31)が西武戦で、自己最多24セーブ目を挙げた。1点リードの8回2死から登板。1回1/3を投げ1安打無失点で、両チーム計15点の打ち合いを締めた。先発有原が2回5失点で降板。中継ぎ6人がつないだ勝利へのバトンを、実らせた。昨季の23セーブを更新。オリックス平野佳のリーグ最多記録「40」を上回るハイペースでセーブを積み重ねている。チームは今カードの勝ち越しを決めた。

 奮闘の証しは、大歓声に磨かれ輝いた。増井が、守護神として節目を迎えた。満員4万1138人の視線が一気に集中する、お立ち台。ひょうひょうと言ってのけた。「運が良いですね」。昨季までの自己最多セーブ数を更新する24セーブ目。両チーム計15点の打ち合いを「運」に身を任せながら、勝利で締めた。「ファイターズファンの方、1人でも多くの方に勝利の瞬間を届けられるように頑張りたい」。願いは、自らの右腕でかなえた。

 激動のシーンの連続に、ボルテージは高まっていった。先発有原が、大乱調の2回5失点で降板。白村、谷元、宮西が6回まで無失点。3点のリードを守った7回。6番手クロッタが2死満塁で右前2点打を浴び、1点差。戦況を静かに見つめていた増井は、心に決めた。「中継ぎをつぎ込んでいた。これ以上、後ろには回せない」。8回2死。出番を迎えた。

 背負う思いを、ぶつけた。「何とか、みんなでつないでくれた」。1人目秋山に初球151キロを、左前打された。続く栗山は9球粘られながら二ゴロ。最終9回。くしくも、前夜10日と同じく、3番浅村からの中軸を迎えた。151キロの直球と130キロ台後半のフォークを多投。この日、満塁弾の強打者を惑わせ、投ゴロに切った。続く中村を空振り三振。最後はメヒアを左飛に打ち取り、リードを死守した。「絶対に勝って終わろうと」。守護神としての役目を果たした瞬間、球場が地鳴りのように沸き上がった。

 揺らがない信念が、道しるべになった。不動の守護神だった武田久の故障により、今季から本格的に抑えのポジションに就いた。マウンドでは冷静沈着。ピンチをさらりと脱してみせるが、熱い野望に向かっている。「やっているからには球団記録、日本記録と先を目指している」。球団シーズン最多記録は06年マイケル中村の39セーブ、リーグ最多記録はオリックス平野佳の40セーブ。この日で32試合に登板し防御率は0・54と安定感抜群。シーズン43セーブのハイペースに乗せた。

 栗山監督は「本当にありがとうございます。増井さまさま」とねぎらった。上位を争う西武相手にカード勝ち越し。前半戦は残り3試合。激戦になるほど、増井の働きは光っていく。【田中彩友美】

 ▼日本ハム増井が西武戦で両リーグ最多の24セーブ目を挙げた。昨年の23セーブを上回り、自己最多となった。日本ハムでは江夏が81年(28セーブポイント)82年(37SP)、武田一が91年(22SP)、横山が04年(32SP)で最優秀救援、マイケルが06年(39セーブ)、武田久が09年(34S)11年(37S)12年(32S)に最多セーブを獲得しているが、今年の増井も日本ハムからは10度目のタイトルが期待される。