マー君の元同僚が北海道にやってくる。日本ハムは4日、来季の新外国人として前ヤンキースのクリス・マーティン投手(29)と契約に合意したと発表した。最速155キロを誇る身長203センチの長身右腕は08年から3年間、右肩痛の影響で野球から離れ、トラックの積み荷作業などに従事。その後、米独立リーグを経て昨年4月にメジャーデビューを果たした苦労人。遅咲きの剛腕が、覇権奪回を目指すチームに加わる。
日本ハムが速攻で、意中の新戦力を獲得した。大リーグのワールドシリーズが終了した翌日の現地時間2日、ヤンキースがマーティンの自由契約を発表。球団は、かねて実力を評価し、獲得を検討してきた右腕に素早くアタック。「私にこういう素晴らしい機会を与えてくれたファイターズに心から感謝を申し上げます」と、推定年俸8000万円プラス出来高払いの1年契約で合意。来季の補強第1弾を完了した。
先発、中継ぎの両面で期待される。今季はヤ軍で田中とチームメートとなり24試合に登板。0勝2敗1セーブ、防御率5・66だった。ここ3年間は中継ぎでの起用だったが、12年にはレッドソックス2Aで先発も経験。最速155キロの直球にスライダーが武器で、打たせて取るスタイルが持ち味の右腕に栗山監督はシーズン中から熱視線。ヤ軍戦をテレビ観戦する時は、マーティンの動向を気にしていたという。「(先発、中継ぎ)両方の適性があると聞いているし、可能性は考える。決まったと聞いたときはうれしかった。早くから動いてたから」と、一緒に戦えることを喜んだ。
期待の新戦力は、紆余(うよ)曲折のバックグラウンドを持つ。05年に右肩を故障。07年には右肩関節唇の修復手術を受け、米独立リーグに入団したが登板なしで退団。08年からの3年間は、運送会社でトラックの積み荷作業などに従事。完全に野球から離れた生活を送っていたことが、思わぬ幸運を呼び込んだ。
転機は家電販売の仕事で倉庫内の洗濯機や冷蔵庫の運搬業務に携わった時。同僚だった高校時代のチームメートと倉庫内でキャッチボールをすると右肩の痛みが消えていた。後に「重い物を持ち上げたりする動作が肩が良くなった要因の1つ」と振り返ったという。重労働で培った肉体が故障を癒やし、10年に米独立リーグのトライアウトを受けて入団。11年にはレ軍に入団し、1度諦めた野球人生を再び歩み出した。
異色のサクセスストーリーの舞台は日本へ移る。「パ・リーグ制覇、そして日本一奪還に少しでも貢献出来るように、自分の持っている力を出し切る覚悟です」。奇跡のような復活劇で表舞台に登場した長身右腕が、来季覇権奪回の使者となる。
◆クリス・マーティン 1986年6月2日、米テキサス州生まれ。04年にアーリントン高卒業。同年ドラフトでタイガースに指名されるも大学進学を理由に入団拒否。05年にロッキーズからドラフト指名されるも右肩故障で契約されず。マクレナン・コミュニティ大卒業後、独立リーグなどを経て11年にレッドソックスとマイナー契約。13年にロッキーズへ移籍し、14年4月にメジャーデビュー。今年1月にヤンキース移籍。球種はツーシーム、スライダー、カットボール。メジャー通算40試合で0勝2敗1セーブ、防御率6・19。203センチ、98キロ。右投げ右打ち。
◆日本ハム外国人の現状 今季在籍したメンドーサ、レアードと来季契約に合意したことは、球団から発表されている。来日2年で通算17勝のメンドーサとは、新たに2年の複数年契約に合意したもよう。今季チーム最多34本塁打のレアードは、球団が持っていた来季契約オプションを行使する形で残留。ハーミッダ、ライブリーはシーズン終了後、来季契約は結ばず退団。クロッタは9月、ガラテは8月に退団した。




