相手にとって不足なし! 阪神金本知憲監督(47)の公式戦初戦となる来季開幕戦(3月25日=中日戦、京セラドーム大阪)に立ちはだかる投手が早くも決まった。中日谷繁元信監督(44)が名古屋地区のテレビ番組で、大野雄大投手(27)を来季の開幕投手に“指名”した。今季は防御率0・76で3勝を献上した苦手な1人。「超変革」で臨む金本阪神は初戦から超難敵と相まみえる。

 電波に乗せた敵将の“宣戦布告”は関ケ原を超え、金本阪神への重圧になっただろう。名古屋地区のCBCテレビ「サンデードラゴンズ」に生出演した中日谷繁監督は、来季の開幕投手にあっさり個人名を口にした。

 「大野を大前提に考えていくと思う。あいつには時間をかけてきた。僕も何度も話をしてきた。皆さんが思っているよりしっかりしてますよ」

 事実上の指名だった。3年連続で2桁勝利を挙げ、「プレミア12」の侍ジャパンにも選出された左腕に、初の大役を託す考えを明言した。来季から専任になる谷繁監督にとっても大きな決断。これまでチームリーダーの不在を感じながら、大野には投手の、チームの大黒柱に成長してほしい思いがあるのだ。

 同時に、第33代の阪神金本新監督にとっても、聞き捨てならない重大“発表”となった。不幸にも今季は数多くの出現を許してしまった「天敵」の中でも、中日大野はトップクラスの存在だ。6試合の登板で3勝1敗、防御率0・76と制圧された。京都出身で入団前まで阪神ファンだったと公言する大野に、六甲おろしを聞かせられなかった。

 もちろん、16年シーズンも同じように抑えられるわけにはいかない。金本監督は「超変革」をスローガンに掲げ、チームが激しく生まれ変わることを目指している。若手を中心にフルスイングの意識を徹底。走塁の向上、肉体改造と施しながら迎えるシーズンの初戦だ。全国の野球ファンが注目する舞台で、難攻不落の天敵にどう対するか、変革度合いを測る格好の試金石となる。

 新任の片岡打撃コーチは同じく左腕の巨人ポレダを念頭に「いい投手は徹底した攻め方をしないと。3人が3人ともセーフティー(バント)を仕掛けるとか」と戦略までイメージしながら構想を語っている。「昇り竜」印の虎キラーを、乗り越えることができるか。143分の1以上の意味が生まれそうだ。