「由伸流」の一太刀でブレークする。巨人岡本和真内野手(19)が22日、東京・大手町の球団事務所で初の契約更改交渉を行い、200万円増の1400万円でサインした。9月5日のDeNA戦で初球をプロ初安打、初本塁打。ファーストストライクから振り込む打撃できっかけをつかんだ。超がつく積極的なスタイルは、高橋由伸監督(40)が貫いた代名詞。「1球で仕留められるように」と磨きをかける。(金額は推定)

 初々しさとしたたかさが同居していた。会見場の岡本は「緊張しました。ここでサインをするのかと思っていました」と和ませた。かと思えば、打撃の語りは理路整然だった。「前半より、真っすぐを待ちながら変化球を打てるようになった。1球で仕留められるようにしたい」。一振りで射抜いて決める。プロ1年目に放った6安打、1本塁打に生きる道を定めた。

 安打の内訳はコメントの通り、直球3本に変化球3本だった。ホームランを含む初球の打率が5割で、ファーストストライクの打率は4割。積極性が光った。「金属では(ボールが体の)中に入ってきても、押し出せば飛ぶ。木だったら全部、詰まる。後半戦、木に慣れてきました」。コツコツ型を通した1年目。相棒を操る技術をつかんで残した結果だから、追求するスタイルをハッキリ言えた。

 目指す像は高橋由伸監督だ。初球の通算打率3割8分7厘、66本塁打。ファーストストライクの通算119本塁打は、「じっくり型」に分類される松井秀喜氏の114本を上回っている。追い込まれれば当然、打者は不利になる。しかし高橋監督と岡本が示す「早仕掛け」の数字は、一般論を上回っている。「もっとレベルアップしないといけない」と簡潔な岡本。一振りの精度を高めていくだけだ。

 19歳の自分を客観視できる。新人王の資格を持つが「それはいいです」と興味がない。落ち着き払って「守備をしっかりしないと試合に出られない。今年より1打席でも多く打席に立って、勝利に貢献する」と言った。雰囲気は野武士。一太刀で決める由伸流の後継者になる。【宮下敬至】

 ▼岡本は早めに仕掛けた打席ほど結果を出す。初球が打率5割、2球目が2割5分、3球目が1割6分7厘、4~5球目が9分1厘と、1球ごとに打率が下がる。カウント別でも0ストライクは打率4割。高橋監督も同様で、初球は最高打率で松井(日本時代)を超える66本塁打。カウント別でも0ストライクが最多本塁打で最高打率。松井は2球目が最高打率で、カウントも1ストライクが最多本塁打。