憧れの投手に堂々と投げ勝った。巨人田口麗斗投手(20)が首位広島を6回3安打無失点に抑え、今季5勝目をマーク。広島からは登板9試合目での初勝利で、黒田の日米通算200勝達成を阻んだ。「もっと早く勝てればよかった。でもチームが勝って良かったです」。勝ちたかった相手から白星を得て、ホッと息をついた。
広島出身。幼少期から黒田は特別な存在だった。「物心ついた時から、広島のエースだった方ですから」。憧れた右腕の快挙達成がかかる一戦の対戦投手という“大役”が巡ってきた。「(黒田の)節目となる試合で投げられるのは光栄」と身を引き締めつつ「お祝いの日にさせないように。勝ちたい」と意を決した。
それでも独特の雰囲気にのまれかけた。黒田の勝利を願う大歓声に圧倒され、初回、2回と先頭打者に四球を許した。だが「1人1人を抑えていく」と目の前の打者に意識を集中させ、落ち着きを取り戻した。
直球で右打者の内角をえぐり、スライダーでタイミングを外す。持ち前の投球術で好調広島打線をかわし、4度目の対戦となった黒田との我慢比べも制した。「(黒田とは)何度も対戦させていただいているが、見ていて学ぶことが多々ある。何とかチームに勢いをつけようと立ち向かった」と興奮気味に振り返った。
今季ワーストの19被安打13失点で大敗した前日のショックも、好投で一掃した。若き左腕は「(前半戦の)最後をしっかり締められた。まだまだチャンスはあると思う。最終的に巨人が(首位に)来たと言ってもらえる試合ができれば」。地元広島での初勝利の喜びは胸に秘め、後半戦での逆襲を誓った。【浜本卓也】



