全パの最年長、ソフトバンク和田毅投手(35)が第1戦の地元福岡で先発し、2回を無安打無失点に抑え、ベテランの貫禄を見せつけた。5年ぶり5度目の球宴で、侍ジャパンに名を連ねる全セの好打者たちを手玉に取る快投。この日早朝にクライマックスの追い山を迎えた福岡の夏の風物詩「博多祇園山笠」の熱気にも負けない熱い投球で地元の鷹党を湧かせた。

 慣れ親しんだマウンドで軽快にアウトを重ねた。全パ最年長の和田が2回を無安打無失点に抑えるパーフェクト投球。初回に坂本、2回にも山田から空振り三振を奪うと、セパ最年長対決となった39歳新井も二ゴロに打ち取り、笑顔でマウンドを降りた。直球の最速はシーズン中よりも速い144キロ。地元での球宴に燃えない訳がなかった。

 「1球を全力で投げた。山田には交流戦で本塁打を打たれていたので、打たれたくなかった。新井さんとも久々に対戦できてうれしかった。楽しめました」

 5年ぶり5度目の球宴。今季、前半戦は15試合で9勝3敗とリーグトップタイの勝ち星を挙げたが、被本塁打数もリーグトップの13本。試合前には「僕の持ち味はホームランを打たれることなので、打たれないように一生懸命投げたい」と、自虐ネタをまじえて話していた。だが、招待した両親や家族も見守る中でマウンドに上がると、ベテランの意地で全セのスター選手たちを手玉に取った。

 世界の子供たちを支援する快投でもあった。シーズン中は1球につき10本、ワクチンを寄贈している和田は、球宴では1球につき100本のワクチン寄贈を約束していた。この日の球数は20球。全パが勝てばその数を倍にするプランは実現できなかったが、計2000本のワクチンが世界の子供たちに贈られる予定だ。

 「2回をパーフェクトに抑えることができて、何も言うことはない。日本に帰ってきた年にホークスの地元福岡で球宴があるのも何かの縁。本当に感謝です」

 この日早朝、福岡の夏の風物詩、博多祇園山笠のクライマックスである追い山が行われた。和田も試合前のニュースで見たといい「ふんどしで投げることはできなかったけど、福岡の街がお祭りで盛り上がっている時に投げられてよかった」と笑顔。球界のお祭りを心底楽しみ「勝ちたかったけど、パ・リーグらしく最後まで意地を見せられたと思う」と、男らしく胸を張った。【福岡吉央】