中日吉見一起投手(31)が独り舞台を演じて阪神を撃破した。8回無失点の快投に加え、7回に自ら決勝打で1-0勝利。中日の3連勝は5月上旬以来。暗い思い出ばかりだった8月を笑顔で締めた。

 塁上で両こぶしを握りしめた。7回2死二塁から初球の変化球を中前へ、はじき返した。「当たればラッキーと。打撃センスはないので、本当にたまたまです」と笑った。

 阪神藤浪のミスを生かした熱投だった。前日、ベースカバーが遅れて傷口を広げ、1回7失点KO。福留にベンチで「やることをしっかりやれ」と公開説教されていた。吉見は5回にバントを失敗していた。「流れを悪くして大量失点もある。やるべきことをしないと、いつか大けがする」。だから「6回から飛ばした」と終盤3回を9人で切った。

 今季3試合で防御率9・42の天敵にリベンジ。「気合だけでは勝てない。やり返す気持ちで、1球1球冷静に投げようと思った」。1カ月前の対戦後、ノーワインドアップにし、プレートの踏み位置も変え、この日はあまり投げていなかったフォークを多投した。

 5位阪神とは3ゲーム差。ようやく上も見えてきた。森監督代行は「夏休みのいい思い出にね。最後の絵日記に少しでも書いてくれたらいいですよ」と上機嫌だった。【柏原誠】