巨人宇佐見真吾捕手(24)が「究極のサヨナラしんちゃん」を目指す。26日、東京タワーでラジオ日本「水野雄仁のGスタジアム」の公開収録に畠と出演。今季の目標に日本記録に並ぶ5度の年間サヨナラ打を掲げた。昨季、プロ初本塁打をサヨナラ本塁打で飾った2代目サヨナラしんちゃんが超越した勝負強さを示し、正捕手獲りを狙う。

 宇佐見が絶景の東京タワー展望台で、てっぺんを目指すことを誓った。色紙に「サヨナラ5回達成」と記した。“元祖サヨナラしんちゃん”の阿部が02年に記録した年間4本を上回り、69年の東映(現日本ハム)の大杉、93年のヤクルト・ハウエルが樹立した5本のプロ野球記録に肩を並べる数字だ。「1軍に1年いないとできない。自分にプレッシャーをかける意味も込めて」。その真意は、小林からの正捕手奪取だ。

 サヨナラ男の素質は昨年証明済み。8月のDeNA戦ではプロ初本塁打をサヨナラ弾で飾った。9月の中日戦では2点ビハインドの9回2死で守護神田島からゴルフ打ちで同点2ランを放った。実績は少ないが、決して大言ではない。ドラマチックな場面では「内田さん(2軍打撃コーチ)に『1球見るとチャンスが2球に減る。なら空振り、凡打でもいいから振っていく心構えを持て』と言われた」と教えを守ってきた。

 サヨナラ打量産のためには守護神攻略が必須だ。「ドリス、マテオとか球の速い投手に負けないように」。チームが試験的導入するバーチャルリアリティー(VR)映像にも興味津々。「球筋とか生に近いと思う」。3年目の今季は、昨年11月の左手首骨折の影響でキャンプは3軍スタートも「打撃は問題ない。早く1軍に上がれるように」と意気込む。宇佐見がサヨナラを極めれば、チームも低空飛行から、おさらばだ。【広重竜太郎】