開幕ローテーション入りを狙うソフトバンク田中正義投手(24)が16日、紅白戦に初登板し2回1安打無失点だった。

白組2番手で登場。「全体的に悪くなかった」の言葉通り、3年目の成長を見せた。

3回先頭の川瀬は外角のフォークで見逃し三振。4回の先頭川島は初球スライダーで遊ゴロに仕留めた。カットボールも投げた。「変化球の精度はまだだが、しっかり腕を振って投げられている」と、これまでの変化球を置きにいく姿ではなかった。

4回2死一塁で内川からこの日最速149キロ直球で見逃し三振を奪った。もともと直球の球威は定評あったが、倉野投手コーチが「昨年より変化球でも腕が振れている。けん制も守備もうまくなっている」と語るなど、課題だった部分を克服しつつある。

3回1死走者なしで迎えた周東への2球目にスピードガンが誤作動し、スコアボードに球速160キロが計測された。田中は「(アマ最速159キロの)甲斐野を超えましたね」と笑って受け流した。精神面にも余裕が出てきている。

同コーチは「全体的に底上げしている。長いイニングも投げられると思う」と、先発候補として期待を寄せる。千賀、東浜、ミランダのローテ入りは確実だが、バンデンハークは腰の張りで調整が遅れている。武田、高橋礼、大竹、中田、ドラフト4位の板東湧梧投手(23=JR東日本)らと残り3枠を争う状況。「今年ダメなら期待されなくなる。インパクトを残さないと厳しい」と話す田中が、まずは紅白戦でインパクトを残した。【石橋隆雄】