楽天塩見貴洋投手が昨年7月20日の西武戦以来、305日ぶり勝利を挙げた。

6回99球、4安打2失点で自身40勝目。「疲れました。2軍(14日イースタン・ヤクルト戦)で124球投げても、1軍では違う疲れ方をするので」。ホッとした様子でウイニングボールをポケットにしのばせた。

昨年の球宴明けからヘルニアを発症し、同10月末に腰を手術。春先は仙腸関節と椎間板の状態が思わしくなく、一進一退の時期もあったが、この日が昨年8月26日の日本ハム戦以来、約9カ月ぶりの1軍マウンドとなった。2軍では釜田や由規とリハビリをともにし「あいつらは投げられない時も懸命にリハビリをしていた。本当にすごい。オレの腰(のケガ)なんか小さなもの」と勇気をもらった。

「緊張しました」という初回は球が浮き、西川の二塁打と犠飛で1失点。だが、そこから立ち直った。直球は140キロに満たないが、105キロ前後の緩いカーブとの球速差は効果的。2回から5回までは日本ハム打線を1安打に封じた。今後もローテで回すと確約した伊藤投手コーチは「緩い球を織り交ぜて修正したり、さすが実績のある投手。塩見がしっかりゲームをつくってくれたから、打線にも火がついた」とたたえた。【千葉修宏】