楽天藤平尚真投手(21)がDeNA戦で2試合連続完封勝利を挙げ、クライマックス・シリーズ(CS)登板へのアピールに成功した。

4者連続を含む9奪三振で3安打2四球の好内容。今季チームトップの9勝目で結果を示した。今日26日の本拠DeNA戦に勝ち、2位ロッテが敗れれば、球団初のイースタン・リーグ優勝が決まる。

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1回表に出した四球の走者も、3度の一塁けん制で仕留めた。2死から最初の三振を奪うと、2回は伸びのある直球や切れ味鋭いスライダーで3者連続空振り三振を奪った。最終回も遊撃・吉持のダイビングキャッチに救われると、最後は右翼フェンスギリギリの大飛球。「1軍は個々のレベルが違う。失投は(ソフトバンク)千賀さんだってホームランになる。最後も甘かったので、1軍なら本塁打になっている可能性が高い」と自己分析や反省点も明確にした。

今季は1軍でわずか3試合の登板しか出来ていない。キャンプからシーズンに入っても投球フォーム安定を最重要視してきた。150キロの直球が復活しない苦しさもあったが、ケガで2軍にいた則本昂からのひと言で考え方が変わった。マウンドに立ったら腕を振ることだけに集中する助言だった。「1軍の試合を毎日見ていて、今どうすれば良いのかを考えられるようになった。150キロを投げることではなく、今投げられる一番良いボールを投げること。だいぶ気持ちが楽になりました」。2軍では9勝2敗と勝率8割超。発想の転換が結果につながった。

チームは史上初優勝へ、マジック2。今日26日に勝てば、決定する可能性もある。「1試合1試合、緊張感の中で試合が出来ていることは、次につながると思う」。イースタン優勝、CS制覇、日本一。勝てる男・藤平が切り札となる。【鎌田直秀】