大腸がんから再起した阪神原口文仁捕手(27)が24日、西宮市内の球団事務所で会見を行い、これまでの闘病の経緯や詳細を公表した。昨オフに宣告された大腸がんが、ステージ3bだったことを告白。抗がん剤治療を受けながら感動的な復活を遂げた男は、来季目標にレギュラー取りを掲げ、感謝の完全復活を目指す。

一問一答は以下の通り。

-がんのステージについて

見つかったときは先生も早期発見ではないか、という話だったのですが、術後の検査などでステージ「3b」というのを手術後に先生に伝えてもらいました。そこまで進んでいるとは思ってなかったみたいで僕自身も驚きでした。抗がん剤の方もスタートしないといけないという話になって。退院してから、2月6日からスタートして7月9日まで。その日はちょうど(球宴の)プラスワン発表日に重なっていて、ダブルでうれしかった。

-抗がん剤治療について

4週間飲んで2週間休むというサイクルを計4回。それを半年続けた。

-公表するにいたったの経緯

シーズン中からどのタイミングがいいのかなとすごく考えてまして、先日チャリティー先の(チャイルド)ケモ・ハウスに訪問したときも子どもたちの頑張っている姿にすごく勇気づけられた。(ケモ・ハウスの)院長先生からも背中をおしていただいた。それで球団の方にも相談してこういう形になった。「発表するのは良くないのではないか」という意見もあったのですが、一番最初に発表したときに「使命」と自分で言っていて、病気をしてから詳細を話してなかったので、ここまでやれるっていうところを、今病気で頑張ってる人たちに、発表することによって治療しながらでも仕事復帰できる、スポーツができるっていう思いで発表したいなと考えました。

-手術後の転移は

なかったです。順調に経過良好で今ここにいます。

-病気を経て学んだことは

命ってすごく限りあるなと思いました。いつかは来るもの、それがいざこの年齢で間近に来てそういうものを感じました。もっと大切に時間を使わないと、と思いました。

-今後描く野球人生は

レギュラーをとってたくさん活躍して、チームの中心で成績を残して背中で引っ張っていけるような選手になりたいと思っている。そこを目標にしてます。

-野球との向き合い方の変化は

今までは野球で悩むのはつらいことだったけど、考え方ひとつで幸せにもとらえられるし、なんてありがたいことなんだってとらえられる。そういった部分ではすごく自分の悩みが小さく感じたりっていうのはすごくありました。だからもっとやればいいじゃん、やれることをやろうと。

-自分の好きなことを職業にできる幸せをより感じられている

本当にそうですね。野球がなかったらどうなってたかわからないです。野球がすごくいろんなことを忘れさせてくれた。熱中するものが何かが見つかったときは人生が変わるタイミングだと思うので、そういうものを1人でも多くの人に見つけてもらって人生楽しんでほしい。