オリックスは11日、メジャー通算282本塁打、1939安打を誇るアダム・ジョーンズ外野手(34=ダイヤモンドバックスFA)を獲得したと発表した。

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ジョーンズは日本に対して心から敬意を表していた。17年の3月、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝した米国代表の「2番中堅」として活躍。準決勝では日本に2ー1で競り勝った。だが勝利以上に、感じるものがあった。

「僕にとって、あの経験、日本の選手たちと戦ったこと、日本の文化を見られたこと、これは本当に素晴らしいことだった」

素晴らしいというフレーズを何度も使い、語尾を上げて強調していた。それだけ、印象深かった。「国を背負った試合で、どう勝つか。彼らの準備の仕方、みんながしっかり準備をして、また、それぞれのやり方がある。相手に対してのリスペクトもある。感激したよ」。選手だけでなく、応援していた日本人ファン、驚くほど多くの日本メディアに対しても同様の思いを抱いたという。言葉のトーンを変えながら、当時の状況を語るジョーンズの姿は、実に熱かった。

実績のある大物メジャーリーガー。見た目はこわもてでやや近寄りがたいオーラを発していた。だが話してみると、穏やかで謙虚なナイスガイ。野球のキャリアだけでなく、人間的にも興味をそそる深みがある。【MLB担当=斎藤庸裕】