4月6日は163キロ記念日-。ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18=大船渡)が、国内高校生史上最速の163キロをマークしてから6日で1年を迎える。井口資仁監督(45)が先発育成での170キロ到達を期待する大物は、この1年間でどれだけのものを示してきたのか。投球結果に関するデータを読み解く。【構成・金子真仁】

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高3時代の完投した4試合を分析すると、イニングごとの直球平均球速は、終盤になっても落ちない。象徴的なのが昨夏岩手大会4回戦・盛岡四戦だ。中2日で先発し、最速160キロを出したのは8回裏の116球目。9回のピンチで157キロ、159キロを並べ、延長12回、最後の打者にも153キロを投げた。イニング単位でなく、勝負時にギアを上げられる。

ペース配分もうまい。同試合、10回裏の初球にあわやサヨナラ本塁打という大ファウルを打たれたが、力勝負にいかなかった。イニング別平均球速を見ると、3回と6回にやや落ちる。3回は下位打線の可能性が高く、5回のグラウンド整備中断後は制球が乱れやすい場面。細やかな意識が感じ取れる。試合終了までを見すえたプランニングは「勝てる先発投手」の条件を満たしている。