阪神秋山拓巳投手(29)が6回1安打1失点の好投で、チームトップタイの4勝目を挙げた。「とにかくストレートで押すというピッチングを心がけていた。今日はしっかりパフォーマンスが出せたのでよかったです」。今季初勝利を挙げた7月14日ヤクルト戦(甲子園)から無傷の4連勝。直球を主体に広島打線を押し込み、終わってみればピンチは2回だけ。6イニング中、4イニングを3者凡退で終わらせた。

中11日で満を持して迎えたマウンド。前回7月28日ヤクルト戦(神宮)は、5失点しながらも大量20点の援護を受けて完投勝利。翌日に疲労を考慮され、出場選手登録を抹消された。「もちろん悔しい思いはあった。今までとの違いが、いい結果につながったかなとは思っています」。抹消期間は走り込みを中心としたトレーニングで直球のキレを出し、序盤のリードを守った。

復活の鍵にしていたのは「17年の真っすぐ」。自己最多の12勝を挙げた17年の球速は140キロ台後半で、直球での三振も多かった。ここ2年はかわすようなピッチングが続き、投げ方が小さくなっていたことも自覚していた。「今は17年以上になれればいいですけど、やっぱり17年みたいなストレートを投げられるように」。開幕延期となった期間は、肩甲骨を中心に動かすことを意識。腕を大きく振ることを心がけ、ブルペンでも直球の質を磨くことに多くの時間を割いていた。

矢野監督は「抹消になってからも、さらにキレが出てくるような調整をしてくれてたし、それがしっかり結果に結びついた」と評価。さらにキレを増した直球がこの日は光った。17年も7、8月だけで無傷の6勝を挙げるなど、暑さに強い「夏男」。熱のこもった投球でまだまだ白星を量産する。【磯綾乃】