巨人田中貴也捕手(28)がトレードで楽天に移籍することが29日、分かった。交換要員はなく、金銭トレードとみられる。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が遅れた今季のトレード期間は例年より1カ月遅い9月30日までで、期間内ギリギリのタイミングで両球団が合意に達した。同日中に発表される。

巨人と楽天のトレードはウィーラーと池田、高梨と高田に続き今季3例目になった。田中貴は八重山商工(沖縄)から山梨学院大をへて、14年育成ドラフト3位で入団。17年に支配下登録された。巨人の捕手は炭谷、小林、大城、岸田と層が厚く、今季1軍出場はなかったが、プロ通算2試合に出場。インサイドワークを含めた守備力は高く評価され、イースタン・リーグを中心に実戦経験を積んできた。

楽天は開幕スタメンマスクをかぶり、今季67試合に出場した太田光捕手が、26日の西武戦で左肩関節唇を損傷し、今季中の復帰は難しい見通し。37試合に出場した足立も下半身のコンディション不良で14日に登録抹消された。現在の1軍捕手は今季育成から支配下に返り咲いた下妻を中心に、5年目堀内、4年目石原が控えているが、補強は急務で、田中貴にかかる期待は大きい。

巨人の今季のトレードはロッテと成立した沢村と香月を含めて4例目。支配下登録選手は上限の70人に達しており、田中貴の移籍により69人になる。

◆田中貴也(たなか・たかや)1992年(平4)8月27日、京都府南丹市生まれ。八重山商工から山梨学院大に進み、14年育成ドラフト3位で巨人に入団。17年に支配下登録された。今季1軍出場はなく、イースタン・リーグ40試合に出場し、打率2割3分4厘、4本塁打、12打点。通算では1軍2試合の出場で、安打はない。178センチ、85キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸600万円。