ヤクルト高津臣吾監督(52)が挙げた試合の最大のポイントは5回の場面だった。

高津監督 まぁ星のところでしょうね、今日は。ちょっと失点を覚悟したんですけど、よく打ち取ってくれたと思いますね。

4-4の同点で迎えた5回。先発高梨が1死二、三塁とピンチを背負ったところで、2番手に星知弥投手(27)を投入。3番サンズはフルカウントから147キロ直球を内角へ投げ切って見逃し三振。4番マルテには四球を与えて2死満塁としたが、4回に20号2ランを放っていた5番佐藤輝にも真っすぐで内角攻めし、最後は内角高めの149キロ直球で空振り三振。見事にピンチを無失点で切り抜け、阪神に傾きそうな流れを食い止めるとともに、終盤の勝ち越し劇へつながるリリーフ陣の踏ん張りの起点となった。

星は6月9日に1軍へ昇格し、この日で登板は8試合目。4日中日戦に続いて2ホールド目を挙げ、任される舞台も重要度が増し始めている。高津監督は「このくらいは最低できると思っているので。あとは変化球の精度とコントロールというところがまとまってくれば、これくらいの力は発揮できると思っています」と、勝利の影のヒーローに、今後のさらなる高いレベルのパフォーマンス発揮に期待した。【木下大輔】