日本ハム清水優心捕手が、価値ある打点を挙げた。1点リードの2回1死一、三塁。一度セーフティースクイズを試み失敗したが、得点への意欲に突き動かされた。「まだチャンスは続いていますしワンストライクだったので、そこは開き直って何とか1点がほしかった」。カウント1-1からの3球目、左前適時打を放った。

女房役として、ひそかに奮い立っていた。上沢の登板時は、試合前の時点で26打数6安打3打点、打率2割3分1厘。後半戦最初の前回登板でも2打数無安打と沈黙した。「いつも(上沢から)『オレのとき全然打たんやん』って言われるので、何とか食らい付いて、見返してやろうと思いました」と、人知れず闘志を燃やし、結果をたたき出した。

プロ7年目、攻守での存在感が正捕手の座を射止めるカギになる。東京五輪での中断期間中、栗山監督と膝をつき合わせて話す機会があった。指揮官は「今までは不安そうに見えるときがあった。少し雰囲気が出てきた」と、頼もしさが増してきた姿に目を見張った。清水は「レギュラーをつかまないといけない年齢」と96年世代を代表して、奮起を誓った。【田中彩友美】