4番拒否打法!? 楽天島内宏明外野手(32)が、2安打3打点で、昨年打点王の貫禄を見せた。打率3割3分3厘、7打点はどちらも今季チームトップ。4番打者としての仕事を果たしている。

充実したシーズンを送っているかのような活躍を続けているが、試合後には首脳陣へまさかのおねだり? をしていた。

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島内は、独特な表現でファンや報道陣を引き込むが、この日も島内節がさく裂した。「4番を外してほしいという気持ちは強いです」。昨年から主砲に定着。それでもできれば座りたくない打順であるのは変わらない。

“勝利の一打”を放った。2点リードの7回2死二、三塁で浅村が申告敬遠されて満塁となった。敬遠策を取られての第4打席。「特にいつもと変わらず打席に入りました」と平常心。カウント1ボールからの2球目、佐々木の外角気味131キロのチェンジアップを左中間へはじき返した。走者一掃の3点適時二塁打。塁上で静かに左拳を握り、ガッツポーズを取った。

今季のチームスローガンは「譲らない」。2月2日に誕生日を迎えた際には「4番は安田に譲ります」とドラフト2位ルーキーを指名。それを聞いた石井GM兼監督は、信頼を言葉にした。「すごく頼もしいバッティングアプローチをしてくれる。なんとか塁に出られないかなというときも出るし、打ってくれないかなと思うときも期待できる。両面できるのがいい部分。まだ周りには過小評価されているかなと思う。去年打点王で目立っちゃったので、もうちょっと水面下で動いてほしい」とユーモアを交えながら話していた。

打ってほしいときに打ってくれるから、主砲を任され続ける。「ここで島内」と自信を持って送り出せる。頼りになる4番が、楽天にはいる。【湯本勝大】