<ソフトバンク2-0西武>◇11日◇ペイペイドーム

ソフトバンク東浜巨投手(31)が、史上84人目、通算95度目となるノーヒットノーランを達成した。完全試合で達成したロッテ佐々木朗希投手(20)に次ぐ今季2人目。9回を97球で抑え、100球未満の完封「マダックス」も達成した。

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元エースがこの日、プロ野球史に名を刻んだ。「球数が少なくて投球のリズムがよくて、いいピッチングでした」。テレビの前で、亜大・生田勉監督は教え子の姿に目を細めた。

手塩にかけて育てた大学4年間。間近で見てきた性質に、快挙につながるものがあった。それを「吸収力」と恩師は表現した。「いろんな方から助言をいただいたら、彼はまずそれをやってみる。はなから自分には合わない、と耳を傾けないのではなく、まず実践してみるんです。そこから自分に合ったものを取り入れて行く。人に流されず、自分という軸をしっかり持っている。ただ、人の言葉を聞く耳を持った上での“自分”です」。その積み重ねが、今の東浜だ。

昨年からの投球フォームの変化にも、監督は目を留めた。「テークバックが浅くなって、足の上げ方も変わっている。変わっていかなければ生き残れない。厳しい世界に生きていることを身をもって示している」。優しい笑顔の下にある、しなやかな強さ。そんな選手を亜大は球界に送り出した。【遊軍=堀まどか】

【関連表】過去のノーヒットノーラン達成者一覧