オリックス吉田正尚外野手(28)が、リーグ戦再開となる17日の敵地西武戦を前に、日刊スポーツに今年2回目の独占コラム「頂に駆ける」を特別寄稿した。交流戦ではヤクルト村上や阪神佐藤輝らセ・リーグの強打者に刺激を受け、左太もも裏の負傷で代打スタンバイした際にはチームメートの役割意識の高さを実感したという。借金4&4位からのリーグ逆転連覇へ、選手会長が決意新たにリーグ戦に臨む。【取材・構成=真柴健】

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日刊スポーツ読者の皆さん、オリックスの吉田正尚です。いつも温かい応援ありがとうございます。

交流戦も終わり、リーグ戦に戻ります。今年もセ・リーグの打者から学ばせてもらうことばかりでした。DeNAの牧選手、ヤクルトの村上選手に阪神のテル(佐藤輝)。僕は今年ケガで不在だったので、試合では見られなかったけど、巨人の岡本和選手。その4人はやっぱり別格ですよね。

年齢は全員下ですけど、そりゃぁ、もう、ね。同じプロ野球選手ですから。シンプルにすごいなぁと思います。スイングが強くて、1球で仕留められる選手たち。勝負強くて、打点を稼ぐこともできる。若手ながらも、チームの主軸として、引っ張っていますよね。

僕は今年、ケガをしてしまって…。1年間しっかり戦いたかったんですけど、それはもう、かなわなくなりました。ここからはケガなく、チームの借金を減らして、上位に食い込む。上を目指していく。一気には返せないので、1個1個いきたいと思います。

ここ数試合は、ベンチから野球を見て(代打の)準備をしていました。やっぱり「スタメンで出ないとダメだな」と心では思います。試合序盤にベンチにいると、後から出る選手が、すごく声を出してムードを作っていたり、みんなで支えてくれます。なかなかできることじゃない。心の準備が完璧にできています。後ろ(ベンチ)にいないと、わからないこともありますし、状況によって準備のパターンがある。本当にすごいなと思います。

野球に限らずスポーツは、全員が全員、同じ仕事ではないんですよね。各自に役割がある。そこで、自分のベストを尽くす。プロ集団なので、当たり前のことなんですけど、結果うんぬんではなく、まず準備ができて臨めているか、です。だからこそ、チームが1つになっている雰囲気を感じています。

長女は7月7日で2歳になります。生まれた頃に比べると、大きく育ってくれて、少しずつ話せるようになってきましたね。一言ずつ、話せる言葉が増えています。その成長を見届けられるのは、幸せなことだなと思います。球場にも1回、観戦に来てくれました。ただ、まだ集中が持たないので(打球が)危ないですよね。普段はテレビでゆっくり見ているみたいです。

春先のオフには、娘とお花見にも行きました。小さい頃から、いろんなことを経験してもらいたいです。もしかすると記憶には残らないかもですけど、「意識」を持つかもしれないんでね。できることはしてあげたいなと。家族のため、ファンのみなさんのために頑張ります!(オリックス・バファローズ外野手)

〇…この日の吉田正 ベルーナドームで全体練習で汗を流した。トレーナーと左太ももの状況を確認しながら慎重にストレッチを行い、ティー打撃、フリー打撃も敢行。右、中へ柵越えを連発すると、一塁ベースに向かって軽めのダッシュを披露した。その後はベースランニング、キャッチボールも行い、17日のリーグ戦再開に備えた。患部の状況を確認しながら、スタメン復帰を探っていく。