「岡田再生工場」で復活へ-。阪神高山俊外野手(29)に、岡田新監督のメスが入った。

秋季練習2日目。ティー打撃、フリー打撃を見守った指揮官から「スタンス」についてのアドバイスが飛んだ。「(スタンスが)狭いというか、ティーの時からなあ」。報道陣には足を踏ん張る動作を見せながら「ステップをバーンと踏んだら、スパイクの剣で踏ん張ってガッとかからんと。今なんか150キロぐらい、みんな投げるんやから。力負けしてまうよ」と説明。直球に振り負けない力強さを求めた。

16年に136安打で新人王を獲得したバットマン。打撃をチェックした指揮官も「いやいや、全然悪ないよ、全然」とポテンシャルを認める。「今までどこで何してたんかなと思って、ここ何年間か」「力はあるよ。なかったら、あんな打てへんよ1年目から」「もったいないやんか、力があるのに」。期待の言葉は止まらなかった。

今季は主に代打で38試合に出場し、打率1割8分9厘。6月24日を最後に2軍生活が続いた。6月下旬には右膝自打球で右膝蓋(しつがい)骨を骨折したが、リハビリを乗り越えてきた。来季プロ8年目を迎える高山も、背水の覚悟でこの秋に臨んでいる。「ここにいるメンバーの中では、一番やらなきゃいけないというか、一番下手だと思ってやってるんで。悲壮感を持って…、というか。本当にもう、そういう強い気持ちでやってます」と決意を語った。

「もちろん、(監督が)代わったこともありますし、自分は練習に呼んでもらってるんで、今は『やってやろう』っていう気持ちはあります」。岡田監督も「9人で野球できへんからな。そら、1軍の戦力として必要と思うよ」と中堅の逆襲を待つ。新指揮官に導かれ、背番号9が輝きを取り戻す。【中野椋】

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