「こどもの日」に「ヤングスワローズ」で劇勝ヤ!! 高卒4年目のヤクルト長岡秀樹内野手(21)が人生初となるサヨナラ本塁打を放ち、両軍合わせて11本塁打が飛び交う“神宮花火大会”に終止符を打った。1点を追う9回2死一塁、DeNA山崎から右翼席へ値千金の今季1号2ラン。同5年目の浜田太貴外野手(22)もプロ初となる1試合マルチ本塁打で貢献。最大5点差を逆転し、チームの連敗も2でストップした。

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チームメートも想定外の幕切れだった!?。8-9の9回2死一塁、長岡がDeNA守護神山崎の3球目のツーシームを振り抜くと、高々と上がった打球は、神宮の風とファンの大声援に乗って右翼席に飛び込んだ。劇的なサヨナラ勝利-。ところがヒーローにペットボトルの水を浴びせる恒例の“ウオーターシャワー”はなぜか行われず。高津監督とガッチリ抱き合った長岡が、お立ち台で真相を明かし笑いを誘った。

長岡 水かけられるの憧れだったんですけど、予想外すぎて準備してなかったって言われました。「風のおかげだぞ」と、褒めてもらえませんでした。

昨季開幕から遊撃の定位置を獲得。ゴールデングラブ賞を初受賞するなど大ブレークしたが、今季は開幕から苦しんだ。試合前時点で規定打席到達者ではリーグ最下位の打率1割6分7厘。「いいバッターの(動画)をひたすら見たり。ほんとに試行錯誤して毎日やってる段階」と、レッドソックス吉田やソフトバンク近藤、中村晃らを見て研究の日々。最近はチームの大先輩・青木のバットも拝借し、3日巨人戦で8回に大江から中前適時打をマーク。「全体的にちょっと太いんですけど。それが自分には合っているのかな」と好感触に手応えを得た。

試合を決めたのは長岡だが、逆転ムードを作ったのが浜田だった。3点を追う5回先頭でDeNAエース今永から左越えに3号ソロを放つと、4点を追う8回2死一、二塁でセットアッパー伊勢から左翼ポール直撃の4号3ラン。自身初の2発に「塩見さんも帰ってきたのでなんとかアピールしようという思いでやりました」と振り返った。

「こどもの日」で大勢の子どもたちが見つめる中で「ヤングスワローズ」が躍動。長岡は「ちょっとは憧れてくれたかな」とニヤリ。これからも少年少女の目標となるような活躍を目指していく。【鈴木正章】

▽ヤクルト高津監督(終盤で5点差をはね返し連敗を2でストップ)「年に何回かあるかないかのゲームだった。(9回)ツーアウトランナーなしから勝ったわけですから。よく粘ってよく頑張ったと思います」

▽ヤクルト・サンタナ(2回先頭で今永から4号先制ソロ)「1球前に差し込まれたので微調整して、しっかり1発で仕留めることが出来ました」

▽ヤクルト中村(8回先頭で3号ソロ)「塁に出ることを考えて打席に入りました。一番良い結果になってくれました」

▼ヤクルト-DeNA戦はヤクルト6本、DeNA5本の両軍合計11本塁打が飛び出した。

1試合の両軍合計最多本塁打記録は49年4月26日巨人-大映戦、80年10月3日近鉄-ロッテ戦の13本。11本以上は07年7月11日ヤクルト-広島戦の12本(延長11回)以来となり、延長で記録したケースを含め17度目。

また、両軍とも5本以上は04年7月25日横浜-巨人戦以来、19年ぶり8度目。過去7度のうち71年ロッテ-東映戦は両軍、04年横浜-巨人戦は横浜が延長に入ってから5本目を打っており、9回までに両軍が5本以上は6度目だ。04年横浜-巨人戦は延長11回、金城(横浜)のサヨナラ2ランで終わったが、この日も最後は長岡のサヨナラ2ランだった。