1発攻勢に沈んだ。3連勝を狙った日本ハムの先発上沢直之(29)が、自己ワーストタイの3本塁打を浴び、敗れた。初回1死から楽天小深田に右越えソロを浴び先制点を献上すると、4回先頭の浅村に左越えソロ、6回2死一塁では岡島にも右越え2ランを許した。7回98球を投げ5安打1四球4失点で降板し、チームも一晩で最下位に転落した。

   ◇   ◇   ◇

昨季4戦全勝だった上沢の5月初登板は厳しい結果に終わった。4失点すべて本塁打でのもの。「点の取られ方が悪かった。昨日いい勝ち方をしていたので、チームに良い流れを持ってきたかった。申し訳ない」。前夜、ようやく5位浮上を果たすも、その勢いをつなぐことはできなかった。

1試合で3本塁打を許したのは、18年9月8日の楽天戦(楽天生命パーク)以来5シーズンぶり2度目。3本目の岡島に被弾した際は右膝をつき、がっくりうなだれた。自己ワーストタイとなる結末に「あんまり3本打たれることはないので。結果論にはなるが、選ぶボールをもっと考えていれば。ここまでホームラン打たれてしまうと、勝敗を左右してしまうので」と声を絞り出した。

3勝目を挙げた4月29日のソフトバンク戦で有効だったカーブの精度が、上がらなかった。「初回の方から何か合っていない感じで。フォークも曲がりが悪くて。そこでカウントを悪くしてしまったのも、こうなってしまった原因かもしれない」。3発いずれも、ファーストストライクを取りに行ったストレート系の球種をスタンドに運ばれた。

5安打中3本が本塁打。この反省を次に生かすことが先決だ。建山投手コーチは「こっちもストライク先攻と言っているので難しいところ。浅村に関してはコースは悪くなかったが、もう少しボールの強さがあっても良かった」。4月1日の今季初登板は7四球と乱れたが、最近2戦はいずれも7回1四球、球数も100球前後と、持ち前の制球、テンポの良さは戻ってきた。上沢は「以前よりはるかに自分から崩れるっていうことはなくなってきている。この1週間でしっかり調整したい」。新たな課題を克服し、雪辱のマウンドにつなげる。【永野高輔】

▼日本ハム上沢が7回4失点で、5月最初の登板で黒星(今季2敗目)を喫した。5月の登板は19年5月26日西武戦(当時メットライフ)から7連勝中だったが、同18日ソフトバンク戦(熊本)以来、4年ぶりの敗戦投手となった。通算64勝のうち月別で最多15勝と相性の良い月だが、登板10試合ぶりの黒星だった。

○…選手会長の松本剛が3安打と気を吐き、打率を3割1分に上げた。4月18日ロッテ戦の時点では1割9分6厘まで沈んでいたが、4日まで13試合連続安打を記録するなど、着実に調子を上げきた。2年連続の首位打者へ「結果的にヒットが多かったのは良かった。まだ序盤ですし数字を気にしてもしょうがないですけど、数字を追う仕事でもあるので。意識しないことはない」と話した。

○…「9番中堅」で先発した江越が、スーパープレーで魅了した。0-2で迎えた5回の中堅守備。2死一塁から右中間深くを襲った打球を、背走してダイビングキャッチした。「照明が目に入ったので、グラブを伸ばしたら(打球が)入りました」と事もなげだったが、マウンドの上沢は両拳を握って大喜び。あまりに広い守備範囲にベンチも沸いた。

【関連記事】日本ハムニュース一覧