6月の第3日曜日は「父の日」。ときに厳しく、そして優しく育ててくれた父との思い出、感謝をプロ野球選手たちが語った。

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「いいスイングできとるから、焦らずに」。なかなか結果が出ない時、オリックス頓宮裕真捕手(26)のもとに届いた父哲也さんからのLINEだ。「ずっと毎試合見てくれているので。よくLINEもくれます。僕は娘のスタンプを返すだけですけど(笑い)」。

軟式野球の社会人チームで投手だった父は小学校入学前からの練習相手。自宅前の駐車場に大きなネットを張って、ティー打撃につき合ってくれた。「すごく優しい」性格だが、怒る時は厳しかった。「家の中でプラスチックのバットを振っていたらお姉ちゃんの指に当たって、バットを折られた記憶はあります」。練習中に打撃論で言い合いになり、けんかすることもよくあった。

大人になって感謝の心は尽きない。よく言われていた「どっしり構えろ」の助言は、プロになった今も大切にする。お隣さんの山本と同じチームで活躍する姿に「喜んでくれていると思います」と父を思った。