広島新井貴浩監督(46)が想定したゲームプランを選手が実行した。先発九里から中継ぎ6投手をつないで最少失点にしのぐと、11回に得た得点機を生かして一挙5得点。4番西川が離脱して得点力が落ちる中、ロースコアに持ち込む戦術で粘り勝った。

5回まで2安打1失点の九里を代えた。すでに6勝を挙げ、球宴出場も決めている先発の柱の1人。球数もまだ74球だった。新井監督は「今日は少々のビハインドの展開でもブルペン(勝ちパターン)行くぞと伝えていました」とプランを明かす。前日までの2試合は勝ちパターンを1人も使わず、翌日は休養日。総動員できる状況を生かした。

離脱した西川だけでなく、11日に死球を受けた菊池も代打での出場が精いっぱい。スタメンだけでなく、選手交代のベンチワークも難しい状況。投手戦に持ち込み、勝機をうかがう戦術を選んだ。6回は2死一、二塁。8回は1死一、三塁。9回も1死満塁と、ピンチの連続だった。それでも本塁を踏ませなかった中継ぎに「耐えて、耐えて、つないで、最後の勝ちにつながった」と指揮官は称賛をおしまなかった。

攻撃ではこれまで早めの交代策が目立った新井監督がこの日は動かず、得点機を探った。粘って持ち込んだ延長11回が勝負どころ。先頭死球から野間のエンドラン、秋山のバントが内野安打となって無死満塁とした。2死二、三塁と局面が変わるも、坂倉の中前2点適時打で勝ち越し、さらに堂林の3点二塁打で試合を決めた。

主力を欠きながら4位巨人に連勝し、ゲーム差を2・5に広げた。新井監督は「戦いながら強く、戦いながら成長していると思います。球際が開幕の頃と比べて明らかに強くなっている。見ていてうれしいですし、頼もしい」と目を細める。1ゲーム差で追う2位DeNAとの3連戦へ、弾みをつけた。【前原淳】

▽広島九里(先発して5回1失点)「相手に先に点を与えてしまった。そこをどうにか粘れれば良かった。中継ぎの投手がいい投球をして抑えてくれた。何とかチームが勝てて良かった」

▽広島大道(延長10回を3者凡退に抑えて今季初勝利)「僕は自分ができることをやるだけ。今日は結果的に3人で抑えることができて良かった」